サラリーマン大家さんは自分で確定申告をやったほうがいい3つの理由
サラリーマンをしながら、
副業として、
アパートや区分所有マンションを1〜2つ貸しているような方は、
確定申告を税理士に任せず、ご自身でやるべきです。
私自身、税理士であり、
自らの仕事を無くすような主張ではあるのですが、そう感じます。
その理由を考えてみました。
①自分でやらないと、学びが無い→判断ができない、対応ができない
「自分では分からないから」といって、
税理士に丸投げする方ほど、不動産投資について理解が無いことがよくあります。
しかし、実際には、帳簿付けは、その理解の大チャンスです。
・資金の流れをつかめ、資金繰りを把握できる
・どういった項目が収入となるのか、経費となるのかを理解できる
・最大の経費である税金をいかに抑えるかを考えることができる
こういったことは、不動産投資の本を読み漁っても、
なかなか理解することはできません。
それを、自分で手を動かし、考えながら決算書を作ることで、
自分の脳裏に刻まれ、理解することができるのです。
税理士に丸投げする方は、そういった理解のきっかけを作れないので、
ますます分からなくなります。
なんとなくでも、収支が回っているうちはいいです。
しかし、経年とともに、
キャッシュが苦しくなってきます。
その時にどう対応するか。
知識が薄いままでは、その判断もままなりません。
もちろん、税理士さんや不動産会社さん、大家さん仲間など、
アドバイスをくれる方はいても、やはり自分で理解していないと、
スピーディに、的確な判断ができません。
したがって、サラリーマン大家さんは、
自分で帳簿付けをやるべきなのです。
②税理士報酬は高いし、あてにならない
アパートや区分所有マンション1〜2棟といった規模の場合、
税理士報酬は、そこまで払えないのが現実的でしょう。
しかし、帳簿付けの代行の他に、
将来のアドバイスや節税対策、といった踏み込んだところまでお願いすると、
儲けがなくなるほど報酬が発生してしまうのが通常です。
かといって、値引きを強いると、
今度は、過去の数字をまとめてくれるだけになってしまい、
効果的なアドバイスが得られないことが考えられます。
この辺は、税理士である私としても心苦しいところですが、
実際、そうしないと、税理士としても採算が合わない、というのが本音です。
理想的には、毎年の帳簿付けや確定申告自体はサラリーマン大家さんご自身でやり、
その導入支援や節税アドバイスといったところだけを専門家にお願いする、
というのがいいですね。
③不動産所得はパターンが取引の決まっており、難易度が高くない
とはいえ、不動産所得の場合、決算書の作成は、難しくありません。
・賃料収入
・礼金収入
・駐車場収入
・管理費
・通信費
・損害保険料
・固定資産税
・借入金利息
・借入金返済
・修繕費
・減価償却費
この辺りがよく出てくる科目でありますが、
はっきりいってワンパターンです。
一度整理ができれば、毎年同じ処理をすれば大丈夫です。
「複式簿記とかいわれても、よく分からない…」
という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、こちらも、最初に入力の仕組みを掴んでしまえば、問題ありません。
加えて、IT技術の進展で、便利なサービスが増えています。
その最たる例が、クラウド会計システム。
インターネットバンキングと連動して、自動で仕訳を生成してくれます。
帳簿付けは、お金が出た/入ったの取引がほとんどなので、
資金移動さえ記録できれば、あとは調整を加えるだけです。
もちろん、確定申告の締め切りである3月ギリギリになって、
専門的知識や経験が無い方が、
慌てて一度に処理しようとするのは無理があります。
しかし、1年間の中で計画的に処理していき、
疑問を一つ一つ丁寧につぶしていく分には、
まったくハードルが高くありません。
やるなら、今から
このように、サラリーマン大家さんの確定申告は、
自分でやるべきだし、自分でやれます。
しかし、年が明けて、ギリギリになってからでは、遅いです。
やるなら、今から。
ネットで検索するなり、書籍を買うなり、
ファーストステップを踏み出してみましょう。